研究活動

【上映会】『スーパーシチズン超級大国民』上映会&アフタートーク【終了】

日時:2023年10月14日(土)13:30-16:30
会場:京都大学 吉田南キャンパス 国際科学イノベーション棟シンポジウムホール(西館5階)
参加無料・要事前申し込み

自主講座「認識台湾Renshi Taiwan」の第3回として、ワン・レン監督の『スーパーシチズン超級大国民』(95)の上映会を行います。この映画は、戦後の国民党独裁統治時代に40年近く続いた戒厳令下で行われた白色テロを取り上げ、台湾の社会と歴史への批評的視点によって完成されたものです。上映会後には、4名の研究者およびジャーナリストが登壇し、「台湾における恐怖政治の記憶」と題したアフタートークを行います。

プログラム
13:00 開場
13:30 開演(『スーパーシチズン 超級大国民』上映)
15:30 休憩
16:30 アフタートーク
    岡真理(早稲田大学文学学術院)、駒込武(京都大学教育学研究科)、中村一成(フリージャーナリスト)、森川輝一(京都大学法学研究科)

お申込み:zoomによるオンライン配信も実施する予定です。会場参加予定の方も、オンライン参加予定の方も、こちらからご登録ください。 ※締め切り:10月7日(土)

問い合わせ先:renshi.taiwan.seminar@gmail.com

<この映画について>
 ワン・レン監督は、台湾ニューシネマの源流として知られる2本のオムニバス映画のうちの一つ、『坊やの人形』(83)で商業映画監督デビュー。アメリカへの留学経験を持ち、自主映画の世界でも受賞歴を持っていた彼が監督を担当した第3話「りんごの味」は、同オムニバス中、最も議論を呼んだエピソードとなった。貧しい台湾人が米軍将校の車に轢かれたのを契機に浮き彫りになるアメリカと台湾との関係、その裏に見られる格差や社会構造への辛辣な批評性が問題とされた。そんなワン・レン監督が、再び台湾社会、とりわけその歩んできた歴史に対する高い関心と批評的視点を持って完成させたのが、本作である。戦後の国民党独裁統治時代、1949年から40年近くにわたって続いた戒厳令。そのなかでも国民党政権に批判的だと見なされただけで相次いで投獄・処刑された白色テロの時代を、背景にしている。

<あらすじ>
 50年代に、政治的な読書回に参加したという理由で逮捕された知識人コーが主人公。彼は獄中での拷問に耐えかね、友人タンの名前を警察に知らせてしまう。タンは捕まり、死刑に処せられた。一方、無期懲役となっていたコーは、その後出獄。養老院で暮らすが、事件から約30年を経て、タンに謝罪するため、その墓を捜しに、院を出る。しかしタンの消息を探っても、なかなか墓にはたどり着けない。一方、長年孤独に生きてきた彼の娘は、父を許せない気持ちをずっと抱き続けていた……。

主催自主講座「認識台湾」実行委員会
共催:科研基盤(A)「トランスナショナル時代の人間と祖国をめぐる人文学的・領域横断的研究」(代表:岡 真理)